笹公人さんの短歌はマニアックで読者を選びますが、分かる人には分かるネタだからこそたまらない面白さで、 「誰でも分かる短歌」を目指す枡野浩一さんとは逆の方法論だったりして、表現の世界って幅広いなあと 思います。この歌は多分、私も大好きな夢枕獏さんの小説「陰陽師」シリーズで描かれる、現代とは比較にならない 平安時代の夜のとっぷりと深い深い闇、魔物たちがうじゃうじゃうごめく闇を言ってるのだと思います。あれよりも暗いのか…。
笹さんの歴史ネタ短歌。実際にどんなピンチかは分からないけど、とてつもなくヤバい状態なのは
ヒシヒシと伝わります。さすがの秀吉もかばいきれない感じ。
でも一方で、ピンチの時にもこんなふうに状況を茶化せる人なら、きっと大丈夫って気もします。私のかつての
職場の先輩がそんな人でした。どんなにマズい状況でもオヤジギャグを連発してケラケラ笑ってなんとなく収めてしまう人で、
弁当を忘れたぐらいでこの世の終わりのようにうろたえる私にとっては、ものすごく憧れでした。
「もうテンヤワンヤのテンテコマイマイや」逆境だって君は笑って (西村湯呑)
ファミコンのドラクエに熱中した世代なら、苦笑とともにうなずいてしまう一首。
呪いのテーマとともに目の前が真っ暗になりましたね。オカンに八つ当たりしましたね。
私はドラクエでもファイナルファンタジーでも、セーブデータを消してしまったことがあります。
今職場で、バックアップデータをきっちりとる習性があるのは、それこそトラウマのなせる技なのかも。