ぼくのうた(自作短歌)
テーマ: 日常 なつかし 恋 挽歌 連作
まじめ 題詠
- 【日常のうた】
- 言ったこと聞きとれなくて適当にそうだそうだとうなずき修羅場
- いつだって逆三角形ボディーにはあこがれるけどあこがれるだけ
- どうやってこのネタ使うか思案中「わりぃ子いねがー/ワインビネガー」
- 喫茶店をきっちゃてんと言うコテコテのおっさんになりたくてなりました
- 「激落ちくん」なる焦げ落としスポンジの仕事っぷりに嫉妬している
- 【なつかしのうた】
- 忘れない大人になっても忘れないさわやかじゃない3組のこと
- 先生の「起立、礼、チャックウィルソン」にもあんなにウケてた君だったのに
- いつかきっと報われる日が来るからと ショッカーたちに励まされてる
- 「R2-D2って金ぴかのほう?」「ちがうよしょうゆの入れ物のほう」
- 【恋のうた:男】
- 「もらうね」とラムネとりあげ笑う君 泡がはじける恋がはじまる
- 好きだった。時おり見せるジャイアンが。「万障繰って参加しやがれ」
- 渋滞を待ってたようにキャラメルとミカンもあるよとうれしげな君
- 【恋のうた:女】
- 酔ったふりして君の名で歌います「一休さん」のテーマソングを
- 珍獣を見るような目で見ないでよアンタに惚れた希少種だけど
- 狭い視野あなたが広げてくれたから今はあなたしか見えていません
- 【失恋のうた】
- 「好きだ」って叫んだままの体勢で巨神兵のように溶けていきたい
- いいのですあなたの人生劇場の舞台の端でコケる役でも
- 【挽歌(親しい人の死を悼む歌):男】
- もう今どきお前しか言わんギャグだから秋空見上げ笑って泣いた
- 君がよくやってたように泣き顔で「聞いてないよ〜」とツッコむ遺影
- いがみあいののしりあった思い出があとからあとから頬を伝った
- 【挽歌:女】
- 「べっ別にアンタのため…だからね」と喪服姿でツンデレて泣く
- 先逝かばわかるところで待っていて たとえば渚のバルコニーとか
- 【連作】 「3年P組ギャンブル先生」
- 「今日の負けはあすの勝ちへの花吹雪」ハズレ馬券が教室に舞う
- 数学の授業いつもはテキトーに確率論だけ五時間脱線
- ケンカ騒ぎ「山田が勝つに千円」と叫んで教頭に怒られていた
- 「大久保の赤点脱出に百円」賭け金シビアな給料日前
- 知ってるよ毎日帰りに寄ってたの「佐藤が登校するに千円」
- 「受験など所詮はバクチなんだから一度の勝負に命賭けるな」
- 「合否だけは賭けのネタにはしないんだ」先生あのね合格したよ
- 卒業式先生大泣きしてたのは僕らのせいそれとも弥生賞
- 「十年後も教師をしているに千円」先生いるかな見に来てみたよ
- 【まじめなうた】
- かたつむりはかたつむりなりのスピードで虹の向こうにたどりつきます
- 法的な効力なんてないけれど命をかけて守る指切り
- 表現にどこまで自分を賭けますかパントマイマーの汗が問うてる
- 僕だけが犠牲になればいいと言うあんぽんたんはここにいますか
- 末代に語り継がれよ湯気の中「肩までつかって百数えよう」